こんにちは!Gold🔶です。
日常の重要なビジネスシーン(商品企画、役員説明、客先商談等)で使うべき背景データは極力信頼性の高いものが求められますが、その際にお勧めしたいのが中央官庁の公開データです。ただ、その為の適切な閲覧箇所やドキュメントに行き着くまではご自身のお立場やご経験によりますが、相当な手間、労力を要する場合がありますので、その情報収集作業を効率的に済ませて頂く為にツアーガイド的に解説致します。
総務省データから得られること
今回は企業内で重要なビジネスシーン(企画書作成、役員会議、客先商談等)向けに取り急ぎ使えそうなIT関連情報を総務省データからわかりやすくご紹介します。
中央官庁のホームページではITに関する様々な無償データが得られますが、総務省でIT情報を求めるとすれば、下記4サイトが推奨です。同省の最新動向や考え方が把握できます。特に総務省の業務範囲にはITに係るビジネスモデルやマネタイズ手法に大きな影響を与える情報、通信、放送のインフラ領域の予算管理が含まれますので、その観点で各種データを利用することは有用です。
総務省ホームページ:総務省トップ > 総務省の紹介 > 主な役割
総務省|主な役割 (soumu.go.jp)
総務省IT情報は下記4サイト
問題はデータ量が膨大ですので、官公庁ビジネスや大手企業でマーケティング調査に係る専門の方でなければ、あるかどうかわからない情報を求めるだけのためのそれほどの時間はさけませんので、要点を把握するためにサードパーティのHPをご利用することも有用です。「総務省」「役割」等のword検索で上位に参照できます。当ブログではこの後、単なる紹介に留まらず、ビジネスモデルやマネタイズ手法の観点でも解説致します。
まとめ
- 総務省IT情報は「国際戦略局」「情報流通行政局」「総合通信基盤局」「サイバーセキュリティ統括官」の4サイト推奨
- 総務省はITインフラ領域が業務(予算)範囲であることを念頭に置いて各種データを見ることも有用
- 「総務省」「役割」等のword検索でサードパーティHPの利用も有用
総務省の情報通信白書について
総務省HPから”令和4年度ICT白書”を《PDF》or《電子書籍》をGet
出典:総務省ホームページ(令和4年版 情報通信白書PDF版)
総務省|令和4年版 情報通信白書|PDF版 (soumu.go.jp)
総務省では毎年情報通信白書を公開していますので、同省HPから最新の令和4年度版がPDFや電子書籍が入手できます。また33ページに要約された概要もPDFで読めますが、これだけでも結構なボリュームがありますので、この後わかりやすく要約します。
ITとICTの定義につきましては、総務省HPにもありますが、厳密には「Comunication」の有り無しで異なりますが、ほぼ同義にも使われていることも踏まえ、本ブログでも同義として取り扱っております。
また、ビジネスモデルとマネタイズの定義につきましては、それらを取り扱われる方々の立ち位置や目的により微妙に異なりますが、ここでは単純に「ビジネスモデル」は「価値を提供して収益を上げる仕組み」、「マネタイズ」はその中核にある「収益化」部分と捉えています。例えばGoogleのビジネスモデルは「検索サービス」の「価値提供」と「広告連動」の「マネタイズ手法」から構成されていると見ることができます。
まとめ
- 総務省HPから毎年最新のICT白書をPDFや電子書籍で入手可能
- 総務省HPでIT、ICTの定義に係る見解が得られる
”令和4年度ICT白書”で見る総務省のICT役割
今回白書は特集の「第1部: 情報通信白書刊行から50年~ICTとデジタル経済の変遷」と「 第2部 情報通信分野の現状と課題」の2部構成です。
第1部では現在のICT活況に至るまでの直近50年間の歴史が読めますので比較的最近IT業界に参加された方にぜひお勧めします。客先提案や商談時の安心感が得られます。また「ICTの役割の展望」(第2章第1節:p26~p32)も有用です。
簡単に私の解釈も加えて下記にキーワード抽出してみました。*記号の意味:(ICTの役割👉期待の分野)
- ICTによる労働生産性の向上と労働参加の拡大
- 👉ロボット・AI活用・ビッグデータ解析・テレワーク・サテライトオフィス・クラウドソーシング
- ICTによる地域活性化
- 👉多品種少量生産市場が成立>地方小規模企業の商品・サービス>市場拡大(世界展開も可能)
- 👉全国同等サービス(働き方、ネットショッピング、遠隔医療、遠隔教育)
- ICTを活用した迅速・効率的な情報収集と情報伝達(災害激甚化・頻発化対応)
- 👉センサー・5G・ドローン・AI活用
- ICTによる社会インフラ維持管理
- 👉高精細映像伝送・AI解析技術
- グリーン社会実現への貢献
- 👉ICT機器の新技術開発・導入による省電力化
まとめ
- 総務省の最新白書では特集「ICTとデジタル経済50年の変遷」は知識として有用
- 同白書「ICTの役割の展望」で総務省の期待ビジネスが把握できる
総務省データにおけるICT市場規模
白書「 第2部 情報通信分野の現状と課題」では「第1節 ICT産業の動向」の「ICT市場規模」(p44以降が)お勧めです。一つには市場全体をマクロ的に考える際に使えます。本節を元にビジネスモデル視点でICT業界をインフラからエンドユーザーへの流れで1から7領域に並べてみました。夫々の立ち位置(領域1~6)から相互にどう関わって、最終消費者(領域7)へマネタイズするかイメージ頂ければと思います。
白書にもある『ICTの高度化とサービスの多様化』により、漸く確保できたビジネスモデルも他領域の影響によりその維持は容易でなく、各領域の新技術とマネタイズ手法の出現、そしてその後に続く法規制によりビジネスモデルは絶えず変遷します。その為、各領域の世界的なレベルでの定期的な動向把握が欠かせません。特に前述の通り、総務省は国内の情報、通信、放送のインフラ領域(下記の1,2)を管理していますので、毎年の白書でその動向を定点観測されることは有用と思われます。
- ネットワーク領域
- 固定型通信、移動型通信衛星、通信衛星放送、地上放送、ケーブルテレビ
- クラウド・データセンター領域
- クラウド、データセンター、放送事業等
- 横断的領域
- セキュリティー、AIソフトウェア、データビジネス等
- 端末機器領域
- テレビ、ラジオ、パソコン、スマートフォン、タブレット、
- IoT機器
- ウェアラブルデバイス、ドローン、ロボット等
- 携帯、基地局、半導体等電子部品
- 集積回路、プロセッサ、RAM
- ルーター、LANスイッチ
- コンテンツサービス領域
- 動画、音楽配信、電子書籍、SNS、 EC、電子決済、検索、広告放送、有料放送、広告放送
- 中間利用者領域
- 政府、自治体、大学、民間企業
- 最終利用者領域
- 国民、一般消費者(国内&海外)
まとめ
- 白書「 第2部 情報通信分野の現状と課題」「ICT市場規模」は全体把握にお勧め
- 総務省管理領域(1.2)の動向把握には同白書での定点観測が有用
総務省白書が特記する業界動向
白書「第2部 情報通信分野の現状と課題」「第3章 ICT市場の動向」(p44~p111)では数ある業界動向の中で総務省が特記している分野やキーワードが確認できますので、詳細気になるものにつきましては直接ご参照ください。(以下、マネタイズ視点で気になる分野とキーワードを並べてみました。)
- 電気通信分野の動向
- 新技術IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想(p57)
- 放送・コンテンツ分野の動向
- デジタル広告伸張(39兆円・前年比32%増)広告全体を牽引(p68)
- 国内外における機器・端末関連の動向
- 世界市場及び日本市場の事業者別シェア(世界の伸張に対し国内低調傾向継続)(p78、p79)
- 国内外におけるサービス・アプリケーションの動向
- プラットフォーマ・データセンター・クラウドサービス・AIの市場概況(p80~)
- サイバーセキュリティの動向
- サイバー攻撃の最近3年間の大幅伸張から昨年減少(p90~)
- デジタル活用の動向
- DX・テレワーク・電子行政サービスの取り組み・利用状況(p99~)
総務省白書の政策取組状況で見る今後のインパクトファクター
白書「第2部 情報通信分野の現状と課題」「第4章 ICT政策の取組状況」(p112~p203)では諸々のインフラ整備等、同省の具体的な取り組み事業がわかりますので、入札案件ビジネス関係者(コンサル企業、Sier、ソフトウェアベンダー、機器ベンダー等)には言わずもがなの内容ですが、これら(入札サプライチーン)ベンダー以外のビジネスの方向けに、今後広い領域でマネタイズ手法、ビジネスモデルへインパクトの可能性がありそうなキーワードをざっと列挙してみましたので、もしご興味あるところあれば直接ご参照頂ければと思います。
- 総合的な ICT政策の推進
- デジタル田園都市国家構想(p113)
- Society 5.0(p114)
- 電波政策
- Beyond 5G(p138)
- 放送政策
- 放送コンテンツの製作・流通の促進(p149)
- 放送コンテンツの海外展開(p151)
- ICT利活用の推進
- データ流通・活用と新事業の促進(p169)
- ICT技術政策の推進
- Beyond 5G(p177~)
- 量子技術(p179~)
- AI技術(P180)
- ICT国際戦略の推進
- デジタルインフラなどの海外展開(p183)
まとめ
- 白書「 第2部 」「ICT市場の動向」で同省の重点分野把握がお勧め
- 白書「 第2部 」「 ICT政策の取組状況」で入札案件外の将来インパクト予測がお勧め
御礼&あとがき
この度は、お忙しい中、最後までご覧いただき大変ありがとうございました。今後も現業(研究、開発、営業、サービス、スタッフ業務等)でお忙しく、またその現業を思うように進めるために、並行して専門外のマネタイズやビジネスモデルを考えなければならない方々にわかりやすい情報提供に努めてまいりますので、引き続きご愛顧のほど宜しくお願い致します。