本ブログでは、企業前線で本業(研究、開発、営業、サービス、スタッフ業務等)に従事しながらも、その本業をスムーズに進めるために専門外のマーケティング、特にITに係るマネタイズ、ビジネスモデルも考えなければならない方々への情報支援をしております。本シリーズは、日本酒ビジネスに関わられる方々への支援情報です。
今回は海外バイヤー(個人、企業)視点から、彼らが持ちうる日本酒との接点(間接&直接的PR機会)とそれぞれの特徴並びにそれに対するメリットを整理しましたので、ご自分の現在や今後のカバー範囲の妥当性やそれぞれのマネタイズバランス(各ルートでの投入コストとそれに見合う収益の差分)チェックにご利用いただけます。
I. 間接的な接点
ここでは海外バイヤーが日本酒に(主にITネットワーク経由で)間接的に接触するルートをカバーします。
A. オンラインプラットフォーム
ここではグローバルに展開している販売サイトをカバーします。
- 越境ECサイト:
- 特徴:Amazon、楽天、酒類専門ECサイトなどのグローバルなECプラットフォームは、多くのバイヤーが情報収集や仕入れを行う場です。
- メリット:これらのプラットフォームに出品することで、世界中のバイヤーに商品をアピール&販売できます。
- 日本酒専門サイト:
- 特徴:日本酒に特化した専門サイトは、バイヤーが情報収集を行う上で重要な情報源となります。
- メリット:専門分野に特化して多言語対応されたサイトは、海外バイヤーにとって特に有用です。自社で多言語対応の手間なしでアピール&販売できます。
- 企業向けBtoBサイト:
- 特徴:アリババなどのBtoBサイトは、企業バイヤーが仕入れ先を探す際に利用します。
- メリット:これらのサイトに登録することで、海外企業バイヤーとの接点を持つことができます。
B. オンラインでの情報発信
ここでは自社で展開するルートをカバーします。
- ウェブサイト:
- 特徴:自社で多言語対応されたウェブサイトは、企業情報や商品情報を発信する上で不可欠です。
- メリット:販売業者サイトの制限を受けない自ら作成した高品質な商品画像や動画、詳細な商品説明を掲載することで、バイヤーの関心を引くことができます。
- SNS:
- 特徴:Instagram、Facebook、YouTubeなどのSNSは、商品の魅力を視覚的に伝える上で効果的です。
- メリット:各SNSのターゲット層に合わせたコンテンツを発信することで、潜在的なバイヤーにアプローチできます。
- オンライン展示会:
- 特徴:様々な海外バイヤーが自らの商機(市場トレンド等)に合わせて商品チェックします。
- メリット:不定期にオンラインで開催される展示会は、自らの商品戦略(商品特徴、タイミング等)に合わせて、世界中のバイヤーと接点を持つことができます。
C. 情報媒体
ここでは主に既存の広告媒体をカバーします。
- 業界専門誌:
- 特徴:酒類、食品、レストランなどの業界専門誌は、バイヤーが情報収集を行う上で重要な情報源です。
- メリット:これらの媒体に広告掲載や記事掲載を行うことで、バイヤーの目に触れる機会を増やすことができます。
- オンラインメディア:
- 特徴:海外のオンラインメディアに記事掲載や広告掲載を行うことで、幅広い層のバイヤーにアプローチできます。
- メリット:同上
II. 直接的な接点
ここでは実際に海外バイヤーが訪日されたり、海外の様々な面談場所で海外バイヤーにご自身が直接接触されるルートをカバーします。
A. 展示会・見本市:
ここでは民間系展示会主催ベンダーによる日本工芸品の紹介&販売機会をカバーします。
- 海外の展示会・見本市:
- Vinexpo(フランス)、ProWein(ドイツ)など、海外で開催される酒類展示会・見本市は、バイヤーと直接会って商談を行う絶好の機会です。
- 国内の展示会・見本市:
- FOODEX JAPANなど、国内で開催される展示会・見本市にも、海外バイヤーが訪れることがあります。
B. 商談会・マッチングイベント:
ここでは私企業でない展示会主催者による日本酒の紹介&販売機会をカバーします。
- 海外バイヤー向け商談会:
- 特徴:JETRO(日本貿易振興機構)などが主催する海外バイヤー向け商談会は、効率的にバイヤーと出会うことができます。
- メリット:コストを抑えた商談機会が得られます。
- ビジネスマッチングイベント:
- 特徴:自治体や商工会議所などが主催するビジネスマッチングイベントも、バイヤーとの接点を持つ機会となります。
- メリット:同上
C. 海外バイヤー招致・訪日外国人誘導:
- 海外バイヤー招致企画:
- 特徴:ジェトロなどの支援機関は、日本酒を扱う海外バイヤーを日本に招致し、国内の酒蔵との商談機会を提供しています。これにより、海外販路の開拓や輸出拡大に繋がります。
- メリット:最低限のコストで商談機会が得られます。
- インバウンド誘導企画:
- 特徴:日本の日本酒に対する関心が高い観光客向けの酒蔵ツーリズム企画(観光協会、宿泊施設連携)や試飲体験型企画と連携することで、新たな顧客層(国、地域、年齢層等)への展開、例えばお土産購入による母国での口コミPRが期待できます。
- メリット:様々な分野での継続的な人脈拡大に繋がります。
D. 店舗・ショールーム・酒蔵訪問
- 店舗・ショールーム:
- 海外バイヤーが実際に商品を手に取って見ることができる店舗やショールームは、購買意欲を高める上で効果的です。
- 酒蔵訪問:
- 酒蔵を訪問してもらうことで、職人の技術を体感頂いたり、自社の取り組み姿勢や商品製作の背景にあるストーリーを伝え、信頼関係を築くことができます。
- E. その他:
- 海外バイヤーとのネットワーク:
- 日本酒に関心の高い海外バイヤーと積極的に交流し、ネットワークを構築することで、継続的な取引に繋げることができます。
- 海外バイヤーとのネットワーク:
御礼🔶あとがき
お忙しい中、今回も最後までご覧いただき大変ありがとうございました。今回テーマ含め今後も定期的にブラッシュアップして参りますので、引き続きご参照のほど宜しくお願い致します。🔶Gold